利息制限法関連判例

利息制限法も法律なので、判例というものが重要なってきます。

他のページでお話ししていますが、利息制限法というものは、様々な方面の思惑から矛盾した部分があったというか、整合性の低い内容になっていますので、判例によって整合性を高める必要があったと言えました。

そうした整合性の低い面を制定後の裁判判決によって補ってきたという現実があります。こういう経過もあって、利息制限法は一応「使える」法律になってきました。

ある意味では、利息制限法の文言解釈と同じくらい重要なことだと考えています。数は少ないですが、ここでその利息制限法関連の判例をご紹介します。

利息制限法に定める利息を超える利息を任意で支払った場合についての債務者保護について

まずここでの問題の所在を確認しておきますが、利息制限法1条にもあります通り、利息制限法第1条1項で制限利息を超えた利息は超過分につき無効と言っておきながら、次の2項では無効ながら返還請求が出来ないと規定している点にあります(もちろん、判決当時ないし2010年6月18日以前の話で現在では2項は条文から削除されています)。
もちろん、これでは債務者保護規定としてはまったく使えないものです。

そこで、昭和39年11月18日の最高裁判決です。

「債務者が、利息制限法所定の制限を越える金銭消費貸借上の利息、損害金を任意に 支払ったときは、右制限を越える部分は民法491条により残存元本に充当されるものと解するを相当とする。」

わかりやすくするために、図にしてみました。同じような解説は他のページにもありますが、ここが利息制限法の肝だったわけで、ここでも図入り解説します。

元本100万円で、利率は20%のケースでお話しします。

利息制限法では元本100万円の場合は15%ですので、超過分の5%の利息5万円は無効利息です。ここまでが利息制限法第1条1項です。

しかし、同2項ではこのような場合でも任意で支払った場合は5万円の返還請求は出来なくなります。

ここで、判旨を要約した文言をもう一度読み返して頂きたいのですが、この無効利息は利息の超過ではなく、元本の超過と考えるとしました。

元本の超過ですから、100万円の元本のうちその5万円を充当、つまり、元本が5万円減ったと考えるのです。

こう解釈することにより利息制限法は、支払い不要の超過利息分は元本に充当されますので、債務自体が減りますので、実質的に超過利息は支払っていないことになりますし、債務を返済していることになりますので、債務者保護規定になっていますよね。

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