利息制限法の引き直しとは
「関連判例」でお話ししている通り、利息制限法利息の超過分(グレーゾーン金利)を元本に充当する考え方は、任意整理や特定調停などの債務整理に用いられる手法です。
そして、この元本に充当する額を出すには、グレーゾーン金利での制限超過分利息を算出する必要があります。
その作業は、実際に正確な数字を出すためには債権者に取引履歴を開示してもらわなければなりませんが、ここではそのシミュレーションをしてみましょう。
引き直しシミュレーションしてみる
シチュエーションとして、100万円を借り入れた場合で、月々3万円の均等返済における4年、つまり、48回まで返済した時点の残高差を見てみます。そのまま載せると長くなるので、途中、省略していることをご了承ください。
下のスクリーンショットをご覧ください。
まずは、グレーゾーン金利の上限金利だった29.2%でのシミュレーションです。
利息の計算方法は、「利息の計算方法」での通りです。
クリックするとPDFファイルが出てきますので、そちらでご覧になった方が見やすいです。
「利息」と「元金返済」の欄をご覧頂きたいのですが、3万円返済の内訳があります。
初回の返済時は、3万円の返済のうち、6千円しか借金の返済にしか充てられません。残りは、すべて利息なんですね。
そして、返済を続けていけば、元本が減っていくので、元本充当分は増え、利息の占める割合は減っていきます。
そして月日を経て48回まで3万円づつ返済していきました。
140万円以上支払っているのですが、元本は半分も減っていません。3分の2は利息に充てられてしまうのですね。
次は、同様のシチュエーションで、利率は利息制限法で計算したものです。
最初は100万円ですので利率は15%ですが、初回の返済によって元本が100万円を切りますので18%、そして、元本が10万円を切った時点で利率が20%を切ります。
利息制限法の規定通りになっています。
29.2%の場合との「利息」と「元金返済」の欄を比べて頂きたいのですが、初回から元本に充当される部分が6割弱を占めます。
こうなると、借金が無くなるのが29.2%の場合と比べてはるかに早いのが想像できると思いますが、事実、48回目の返済を待たずに完済してしまいます。
完済どころか、余計に支払っているのがお分かりになると思いますが、これが過払い金です。
ですから、利息制限法引き直しを知らないで、グレーゾーン金利で長期間返済を続けていると、過払い金が発生する可能性が高くなり、利率が高ければ高いほど、返済期間が長ければ長いほど過払い金の額が大きくなります。


